思子淵神社と神事(じんじ)を紹介(中野自治会)
安曇川町中野自治会・思子淵神社氏子総代
中野に鎮座する思子淵神社は、社伝によると建武元年(1334)に観請されたと伝えられています。
安曇川流域に数多く点在(七ヶ所)する「思子淵神社」の中で最も下流に位置しています。
安曇川は、高島市をはじめ上流では大津市、京都市を含む流域を形成しており、この地域では豊富な森林資源をもとに、いにしえより林業が主ななりわいとして営まれてきました。この地域から伐り出された木材を筏で運ぶことは、特に川の険しい上流部では流れが速く、大きな岩や淵などでは危険が伴い、筏乗りにとっては命に関わる仕事でした。その危険な仕事の無事を願って、川の魔物(河童)を取り除いてくれるという「思子淵神」が祀られ、安曇川流域に暮らす人々の間で信仰されてきました。現在でもこの流域には、数多くの「思子淵神」を祭る社や祠、講が信仰の対象として受け継がれています。
中野自治会では氏神さまである「思子淵神社」の祭礼として、毎年1月の第2日曜日と12月の第1日曜日に神事を行っています。神事では、神社にお供え物とお稚児さんとともにお参りします。
この神事も長年氏子が当番制により行ってきましたが、2022年に区民の有志により「中野思子淵神社の神事を継承する会」をたちあげ、2022年12月と2023年1月の神事を実施しました。
今後も、この神事が中野自治会の住民に寄り添ったものであるように、会を中心により良い継承を模索していきたいと考えています。
参考文献等
・安曇川町史
・安曇川の文化と先人たち
・安曇川町の歴史
・日本遺産
協力
・中野思子淵神社の神事を継承する会