安曇川町中野の湧水「秋葉の水」紹介(中野自治会)
安曇川町中野は、琵琶湖西岸比良山系の北の端に位置し、安曇川流域の河岸段丘上に数十戸からなる集落です。背後には比良山系阿弥陀山を擁し、その麓を水源とする大筑波川が集落内を南から北へ流れ、安曇川へと注いでいます。
この水と緑に恵まれた集落の上手に、「あまりの冷たさに瓜も割れてしまうほど」と言われ、親しまれてきた湧水があります。昭和30年代前半までは、集落にはまだ水道が整備されていなかったため、住民の生活を支える水としてなくてはならないものでした。
その後、上水道が整備されたことにより平成10年にその役割を終えましたが、住民の間には依然としてこの貴重な湧き水をかつてのように汲み取りたいという願いを受けて、かつての清らかで、冷たい水を取り戻すために、平成16年に「秋葉の水」として水源を復元しました。
「秋葉の水」は、誰もが気軽に水を汲み、野菜などを洗い、くだものなどを冷やせる場となることにより、かつて水を汲んでいた高齢者をはじめとして、水道水源として使用してきた世代、さらには初めてこの水に接することになる子ども達が、この湧き水に触れ親しむことで、住民間の関係が希薄になりがちな昨今において、新たなコミュニティが育まれ、住民の絆が一層深まることが期待できます。そして、この永遠の水を子孫に受け継いでいくことが、コミュニティを受け継ぐことにもなります。